日本ラグビーフットボール協会より、ゴールラインドロップアウト(GLDO)に関する新たな試験実施ルールについての通達がありました。
220131_(通達)WRルーリング2022-1 「競技規則第8、12、19、21条」(競技規則の確認)【競技運営】
<下記、一部抜粋>
明確化の要請:
ゴールラインドロップアウト(GLDO)に関する新たな試験実施ルールに伴い、複数のメンバー協会より、いくつかの想定される状況について照会を受けた:
1. ルーズボールに対して両チームのプレーヤー1 名ずつが手を当てインゴール内で同時にタッチダウンした場合、プレーはどのように再開されるべきか?
2. インゴールでのグラウンディングに疑いがある場合、プレーはどのように再開されるべきか?
3. ディフェンダーがボールをインゴールへ持ち込んだ、もしくは、ディフェンダーがプレーした後にボールがインゴールへ入った。そのボールがヘルドアップによりデッドとなった場合、プレーはどのように再開されるべきか?
ラグビー委員会の指定メンバーによるルーリング:
1. トライが与えられるためには、競技規則 8.2 (a)において、攻撃側のプレーヤーが最初にグラウンディングをしなければならないことが記されている。攻撃側のプレーヤーと防御側のプレーヤーによるグラウンディングが同時に起きた場合は、攻撃側のプレーヤーが「最初に」グラウンディングしなかったことになることから、トライは与えられない。従って、プレーの再開方法の決定においては防御側のプレーヤーが触れたことが優先される。
その上で、ルーズボールがどうやってまずインゴールエリアに入ったかによって、正しいプレーの再開方法が異なってくる。今回の状況では、以下の状況のいずれかによるものであると考えられる:
- 攻撃側のプレーヤーによってインゴールへ蹴られた = ゴールラインドロップアウト(競技規則 12.12.b.)
- フィールドオブプレーからインゴールへチャージダウンされた、または、ゴールへのペナルティ/ドロップキックがポストに当たりインゴールに留まった = 22 メートル地点でのドロップアウト(競技規則 12.11)
- 防御側のプレーヤーによるパスでインゴールに入り、ルーズボールとなった = 5 メートルラインでのスクラムで攻撃側がボールを投入する(競技規則 19.1 の表の 5 行目)
2. 上記の状況 1 は、現実的にはテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)を使いスローモーション再生を見ない限り判断ができない。TMO が導入されていても、いなくても、誰が先にグラウンディングをしたのかについて疑いがある場合は、競技規則 21.17 によって、5 メートルスクラムで攻撃側のチームがボールを投入することで、プレーを再開する。
3. 競技規則 19.1 の表の 5 行目において、ディフェンダーがボールを自陣のインゴールに持ち込んで、その後ボールがデッドとなった場合、すなわちヘルドアップも含め、結果として、ボールがデッドとなった地点に沿ってゴールラインから 5 メートルの地点でのスクラムが与えられる。攻撃側のチームがボールを投入する。
2021~22 年のシーズンで適用される新たな世界的試験実施ルールのもと、攻撃側のチームがトライを取れなくても、5 メートルスクラムによる再開に依存するよりトライを取りにいくのを奨励することを意図して、競技規則第 12 条と第 22 条が改正された。このことが現在、圧倒的にゴールラインドロップアウトをもたらしている。ワールドラグビーでは、競技規則 21.16 の文言が 19.1との間に齟齬を生じていると考え、ワールドラグビー理事会にて当該試験実施ルールの成果を検討する際にこれらの文言を変更することとしている。